AI翻訳はウェブサイトの下書きには十分。ただし、チェックなしで公開してはいけません

A narrow Mediterranean street with terracotta walls and potted lemon trees at sunset

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AIを使えば、サイト全体をわずか30秒、しかも無料でスペイン語に翻訳できます。それなのに、なぜ今も人間の翻訳者にお金を払う小さなビジネスがあるのでしょうか。

私たちの立場をはっきり申し上げます。AI翻訳は、これから翻訳するすべてのページの下書きを任せられるほど優秀になりました。しかし、そのうちの1ページでも、チェックなしで公開できるほどではありません。2027年に多言語サイトで成果を上げるのは、スピードはAIに任せ、最後の1割を人に任せるオーナーです。無料の「サイトを翻訳」ウィジェットをオンにしたまま放っておくオーナーは、獲得したかったはずの顧客を、気づかないうちに失っていくことになります。

翻訳する理由は、多くのオーナーが考えているよりずっと強い

まずは需要から見てみましょう。言語業界を専門とする調査会社CSA Researchによる「Can’t Read, Won’t Buy」(読めなければ買わない)という、よく引用される調査があります。それによると、オンラインで買い物をする人のおよそ4人に3人は自分の言語で情報が書かれた商品を買いたいと考えており、約10人に4人は他の言語のサイトでは一切買い物をしないと答えています。2つの言語が飛び交う街の水道屋さん、移民の家庭を相手にする家庭教師、海外に顧客を持つネットショップにとって、これはニッチではありません。まだ手をつけていない市場の一部なのです。

少し前まで、翻訳はコストの面でぜいたく品でした。小さなビジネスのサイトを1つの言語に訳すだけで、プロの翻訳者に数百ドルを請求されることもあり、ページを更新するたびに追加料金がかかりました。AIはそのコストを一気に引き下げました。DeepL、Google翻訳、ChatGPT、Claudeといったツールは、今ではたいていの場合、自然に読める訳文を出してくれます。これは本物の変化であり、一人でビジネスを営むオーナーこそ活用すべきです。

AI翻訳で本当に十分なところ

まずはAIの実力を正当に評価しましょう。次のような作業なら、最新のAIツールは数分で9割方の仕事をこなしてくれます。

  • サービス紹介や「私たちについて」のページで、平易な日常の言葉で書かれたもの。
  • よくある質問への回答で、営業時間、駐車場、予約、納期などに関するもの。
  • SNSの投稿や短いキャンペーン告知で、どうせ来週には差し替えるもの。
  • 届いたメッセージの理解で、他の言語で連絡してくる顧客からのもの。

最後の項目については議論の余地はありません。AIを使って、もっと早く返信しましょう。一人で事業を営むオーナーが5か国語を流ちょうに話せるなんて、誰も期待していません。

AIが今もつまずくところ、そしてそれが表に出ない理由

AI翻訳の問題は、質が低いことではありません。間違いが流ちょうであることです。ぎこちない人間の翻訳は、見るからにぎこちない。ところが、間違ったAI翻訳は、その言語が読めない人には完璧に見えます。そして、その「読めない人」とは、ほかならぬあなた自身です。私たちが何度も目にしてきた失敗のパターンは次のとおりです。

  • 料金、手付金、キャンセル規定。「返金不可の手付金」と「手付金」の違いは高くつきます。数字や条件は、たった1語の誤りがトラブルに発展しやすいところです。
  • トーンと丁寧さ。多くの言語には、「you」を丁寧に言う形とくだけて言う形があります。法律事務所や葬儀社で選び間違えれば、いい加減な印象を与えます。サーフスクールで丁寧な形を選べば、まるで銀行のように堅苦しく聞こえます。
  • 地域による違い。メキシコの顧客向けのスペイン語は、マドリードのスペイン語とは違います。ブラジルのポルトガル語も、ヨーロッパのポルトガル語とは別物です。どちらを使うか指定しなければAIが勝手に選び、しかも顧客に合わないほうを選んでしまうことがよくあります。
  • ブランドを表す言葉。サービス名、キャッチコピー、言葉遊びは、たいてい直訳されてしまい、うまく伝わりません。
  • 法律や規制が関わるもの全般。健康に関する表示、金融に関する条件、プライバシーに関する告知などです。英語でもチェックなしでAIに書かせないものは、日本語でも書かせてはいけません。

特に法律面では、ページを公開した時点で、どのツールで作ったかに関係なく、その内容に責任を負うのはあなただということを忘れないでください。権利の帰属については、小さなビジネスが公開するAIコンテンツは誰のものか、5つの誤解で詳しく取り上げています。

無料の「サイトを翻訳」ウィジェットは、両方の悪いところ取り

私たちがいちばんよく見かける近道は、訪問者のブラウザ上で各ページをその場で翻訳するプラグインです。魔法のように便利に感じますが、2つの理由から間違いです。

第一に、誰も訳文をチェックしません。チェックしようにも、保存された訳文がそもそも存在しないからです。第二に、検索エンジンやAIアシスタントがその訳文を見つけられないことが多いのです。Google自身の多言語サイトと多地域サイトの管理に関するガイドでは、言語ごとに専用のURLを用意し、各バージョンの関係を検索エンジンに伝えることを推奨しています。訪問者がボタンをクリックして初めて現れるページでは、そのどれもできません。その結果、スペイン語で「fontanero cerca de mí」(近くの水道屋さん)と検索する顧客の目に、あなたのお店は最初から入らないのです。

顧客がAIアシスタントに地元のお店のおすすめを尋ねるようになった今、このことはさらに重要になっています。一人で事業を営むオーナーがAIにおすすめしてもらう方法でも説明したとおり、AIアシスタントがおすすめできるのは、読み取れるものだけです。顧客の言語で書かれ、クローラーが読み取れる実在のページがあってこそ、候補の一覧に入れるのです。

代わりにおすすめする方法:AIで下書き、人がチェック、実在のページ

一人で営むビジネスが初めて2つ目の言語を追加するなら、私たちは次の手順で進めます。

  1. 言語を1つ、ページを5つに絞る。トップページ、主力サービスのページ、料金、よくある質問、お問い合わせの5つです。サイト全体ではありません。
  2. AIへの短い指示書を作る。顧客は誰か、どの国や地域か、丁寧な口調かくだけた口調か、そして絶対に翻訳しない言葉のリスト(店名や商品名)を書きます。
  3. AIで下書きを作成し、リアルタイム翻訳のウィジェットではなく、サイト作成ツールの多言語機能を使って、それぞれ専用のURLを持つ実在のページとして保存します。
  4. ネイティブスピーカーにお金を払って、1回チェックしてもらう。短いページ5つのチェックなら、フリーランスの翻訳者にとっては小さな仕事です。まず料金と条件を、次にトーンを確認してもらいましょう。
  5. 用語集を作っておく。修正した用語をまとめておけば、次のAIの下書きでは最初から正しい言葉が使われます。

この方法なら、すべてを人が翻訳する場合のほんの一部の費用で、リスクのほとんどを避けられます。うれしい副産物もあります。まさにこの「AIの下書きをチェックする」サービスを提供する翻訳者の市場が広がっているのです。この点は、AIの後始末が報酬の出るフリーランス市場になった経緯を取り上げた記事でも触れました。あなた自身が個人で翻訳をしているなら、これこそが売り込みのポイントです。

これからの12か月に向けたまとめ

AIは翻訳者を不要にしたわけではありません。これまで翻訳にお金をかける理由を見いだせなかったビジネスにも、翻訳を手の届くものにしたのです。こちらのほうがはるかに大きな変化です。一人で事業を営むオーナーにとって賢いやり方は、AIか人かのどちらかを選ぶことではありません。量はAIに任せ、判断には人にお金を払う。それを、実際に顧客を連れてきてくれる少数のページに集中させることです。

あなたのお客さんの中に、サイトを別の言語で読みたい人はいませんか。それが何語なのか、そしてこれまで追加をためらってきた理由は何なのか、ぜひコメントで教えてください。

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